言葉遣い

すみません (1) 

先日、ある会社で講演をしました。

その時、
「筒木さん、あまりすみません、と言わなくても良いですよ。言いたいことは、ハッキリと言ってもらえば」
とその会社の社長から言われました。

この言葉を聞いた時、ハッとしました。
初めての会社で研修や講演をする時、私は必ず下見をするようにしています。
下見とは、どのような会社か、店かをまず実際に見るということです。

今回は、ファッション業界での講演だったので、その会社がチェーン展開を行っている店の1つに行きました。
そして、そこで感じた点を、講演の中で話をすることにしたのです。
ですが、あまりにストレースな物言いは、相手にとっては失礼なこと。
それをソフトに伝えるために、
「こんなことを言うのは大変失礼なことだと思うのですが、すみません」
と、何度も言いながら語ったようなのです。

ですが、あまりに「すいません」が多いと逆に嫌味に聞こえてしまったり、耳障りなものです。
指摘をいただいて、なるほどと頷きました。

人からとやかく言われることは、誰もが好きではないでしょう。(そういう私もです)
人にとやかく言う仕事をしていると、スバッと言うくせに、変なところで、躊躇してしまう面を持っています。

そういえば、いろいろなところで「すみません」を連発していることに気づきます。

「すみません。〇〇してもらえませんか」
「すみません。これください」
「どうも、すみません、すみません」
「すみません」を先につけておけば、何となくその場は収まるような気になるのです。

心は本当は「すみません」などと思っていないのに……。
自分の心の薄っぺらさに気づきます。

日経ビジネスに、作家の野口武彦さんが、
「スミマセン」の使用は慎重に、という文章を寄せられています。

この言葉には、もともとは謝罪の意味はないと。
文章を少しピックアップしてみましょう。

……………
日本語の歴史をさかのぼってみると、謝るという意味で「すみません」というようになったのは、
かなり新しい現象だとわかる。
(部分的に省略)
スミマセンという言葉は、相手に対して「気が済まぬ」思いの表現である。
先方になんらかの心理的負担を感じているという態度の表明なのである。
語源的に謝罪する意図はまるでないのである。
だから反対に、こちらの気持ちが収まらなくても「気が済まない」といったりする。
スミマセンは、ただ乱発すればよいという性質の言葉ではなさそうだ。
……………

確かに、人に何か頼む時や店に行って店員を呼ぶ時に、
「すみません」と言っているが、謝って言っているという意味ではありません。
一つの声がけのように使用しています。
その気持ちの中には『早く気づいてよ』と少々怒りの感情を抱きながら。

もっと言葉を大切に使わないといけないな〜。

そうそう予断ですが、ある会社の店長が、「すみません」という言葉を連発するのです。

「あ、おはようございます」というと、
「あ、すみません」などと。

なぜそこまで「すみません」という言葉を言うのかと聞いたら、
「上司は、私の顔を見たらすぐ叱るんです。そこで、叱られる内容を聞く前から、
すみません、と言っておけば、先手必勝と思ったのです。それがどうも癖になって。
あ〜あ、何だか空しい」

ちょっと決心。
「スミマセン」は、できるだけ使わないようにしよっと。


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