経営者・教育担当者編   

社長が偉いか、専務が偉いか

その会社は、現社長の父親にあたる方が興した。
その父親の元で、昔流に言えば、番頭をしていた方が今の専務です。
それこそ現社長が、生まれた時から、既に元社長の元で働いています。

その社長が体調を崩し、現役を退くことになりました。
その後を引き継いだのが、子供である現社長です。
それと同時に、番頭であった人が専務となりました。

この二人は、それこそ親子ほど年は離れています。
専務は、元社長から、社長を社長らしく育ててほしいという依頼を受けています。


この二人の行動を、今回クローズアップしてみます。

社内で、社長と専務が行動をする時のこと。

二人がエレベーターの前で、乗り込むのを待っています。

ドアが開く。

最初に中に入るのは専務。その後に社長が入ります。
降りる時、専務が先に降りて、後から社長。


この二人が、他企業に訪問をする時。
エレベーターの前で、同じように乗り込むのを待っています。
ドアが開く。

最初に中に入るのは社長。その後に専務。
降りる時、社長が先に降りて、後から専務。

つまり、社内での行動と、他企業に行った時の行動が、180度異なるのです。

この話をしてくれた社長は、次のように言っています。

「他企業に行った時は、わたしを社長として立ててくれます。
 ですが、社内では、まだ社長と認めていないのか、全く逆の行動をとります。
 いつかは、この専務に、社長として認められる存在になりたいと思っています」


社長と専務の関係。
社内であっても、社長を立てる行動をとるべきと思う人と、この専務の対応でよいと思う人と、考え方が分かれるところ。


現社長は、話を続けます。

「社内で、わたしと専務の行動を見て、不思議に思ったり、専務の態度は良くないと思ったり、
 逆にわたしが専務に対して遠慮していると思ったりと、いろいろな考え方の人がいます。
 ですが、わたしは、これで良いと感じています。
 それは、専務と私との間で、何も言わずとも、信頼関係があるからです。
 いつか社内で、専務が、エレベーターに私を先に乗せてくれる時がくるのが待ち遠しいのです。
 専務が、やっと、わたしを社長として認めてくれた時ですから」

マナーとして考えると、社長を立てるのが部下。
ですが、この二人の関係は、奥がとても深い印象すらします。


  ※上司と部下の関係に、マニュアルはない。
  ※上司を上司と立てる方法に、マニュアルはない。


Topページに戻る